時計が遅れるのは寿命の合図です
──「まだ使える」を続けるほど、修理は重くなる
「最近、時計が少し遅れる気がする」
「毎日数分ズレるけど、動いてはいる」
この状態、実は時計からの重要なサインです。
結論から言うと――
時計が遅れ始めた時点で、内部では“寿命に関わる変化”が始まっています。
ただし誤解してはいけないのは、
「もう使えない」という意味ではありません。
正確には、
👉 “適切なメンテナンスをしないと寿命が縮む段階”
に入った、という合図です。
この記事では、
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なぜ時計は遅れるのか
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放置すると内部で何が起きるのか
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正しい判断と、相談すべきタイミング
を、時計の構造を理解している専門店の視点で解説します。
時計は「突然壊れる機械」ではない
時計は、家電のように
「昨日まで正常 → 今日突然壊れる」
という壊れ方はほとんどしません。
ほぼすべての時計は、
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精度が少しずつ落ちる
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遅れ・進みが出る
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止まったり動いたりする
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完全停止
という段階を踏みます。
つまり
「遅れる」= 故障の初期症状
なのです。
なぜ時計は遅れるのか?(内部で起きていること)
① 潤滑油の劣化・枯渇
時計の内部には、
非常に小さく精密な歯車や軸が何十点もあります。
それらはすべて、
専用の潤滑油で守られています。
しかしこの油は、
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年数とともに劣化する
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酸化して粘度が変わる
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乾いて機能しなくなる
という性質があります。
油が劣化すると、
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歯車の動きが重くなる
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エネルギー効率が下がる
結果として
👉 時計が遅れる
という現象が起きます。
② 摩耗は「遅れ」と同時に始まっている
油切れの状態で時計を動かし続けると、
内部では
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金属同士が直接こすれる
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軸や歯車が削れる
という摩耗が進行します。
ここで重要なのは、
👉 摩耗は元に戻らない
という事実です。
遅れを放置する=
内部部品を少しずつ削り続ける、
ということになります。
③ クォーツ時計でも同じことが起きる
「電池式だから大丈夫」
と思われがちですが、これは誤解です。
クォーツ時計でも、
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歯車
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軸
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潤滑油
は存在します。
遅れが出る場合、
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電池の電圧低下
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内部抵抗の増加
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油切れによる負荷増大
などが重なっていることが多く、
電池交換だけで解決しないケースも少なくありません。
遅れを放置すると、どうなるのか?
ケース①:遅れ → 完全停止 → 修理費増大
油切れ・摩耗が進み、
電池交換では動かなくなります。
結果:
👉 分解整備(オーバーホール)+部品交換
ケース②:遅れ → 動いたり止まったり → 内部損傷
無理に動き続けることで、
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コイル焼損
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歯車破損
が起きることもあります。
ケース③:遅れ+防水劣化 → 水入り
パッキン劣化と内部不調が重なり、
気づかないうちに水分侵入。
結果:
👉 修理不可、または高額修理
「寿命」とは、使えなくなることではない
ここで誤解してほしくないのは、
タイトルの「寿命」という言葉です。
時計が遅れたからといって、
その時計の役目が終わったわけではありません。
正しくは、
メンテナンスをしないと寿命を縮めてしまう段階
に入った、という意味です。
正しい判断は「電池交換か?オーバーホールか?」
これを見極めるには、
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内部状態
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使用年数
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過去のメンテナンス履歴
を総合的に判断する必要があります。
つまり、
👉 “診断できる店”でなければ判断できない
ということです。
都屋兄弟商会が大切にしている考え方
都屋兄弟商会では、
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遅れている理由
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今すぐ必要な作業
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まだ様子を見てよい部分
を、必ず言葉で説明します。
電池交換で済む時計には、
「今回は大丈夫です」と正直にお伝えします。
一方で、
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内部摩耗が進んでいる
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近い将来トラブルが出る
と判断した場合は、
オーバーホールを含めた選択肢を提示します。
これは
👉 修理・オーバーホールまで判断できる
👉 「時計を診断できる店」
だからこそできる対応です。

まとめ|遅れは“最後の警告”ではなく“最初の合図”
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時計が遅れるのは寿命のサイン
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放置すると修理費とダメージが増える
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正しい判断は「今の状態を知ること」
時計は、
向き合い方次第で何十年も使える道具です。
「まだ動くから大丈夫」ではなく、
「今の状態を知る」。
それが、
時計を長く大切に使うための、いちばん確実な選択です。
都屋兄弟商会は、
電池交換だけで終わらせず、
時計の未来を見据えて判断する専門店として、
あなたの時計と向き合います。